セイクリッドが真顔になり、きっぱりとロスティルの言葉を否定した。
全員の視線が一点に集中する。
「どういう意味ですか、セイクリッド第2王子」
「発覚したと言うべきでしょうか……。
今回の問題が引き起こされた元凶ともいえる者を見つけたんです」
「元凶?」
幹部が言葉を繰り返し、セイクリッドが重く頷いた。
彼も椅子から離れ、窓の傍へと移動しながら話す。
「見つけたのは本当に偶然でした。
僕も信じられなかった、できれば信じたくなかったけれど、こればかりは事実として受け止める外ありません」
「誰なんだ?というより、元凶とはどういう意味だ?
ルースがこんな状況になっちまったのは、誰かのせいとかという話じゃねえだろ?」
鏡のようになっている窓に、怪訝な顔をしている頭の姿が映る。
セイクリッドは、その先の夜景に視線を投げた。
白い駒が一つ、クイーンの前に移動した。
チェックメイトへ着実に近づいている、焦ってはいけない……
「あなた方は『彩霞ノ民』というのをご存知ですか?」
頭とまとめ役が、知らないという表情になった。
ロスティルと幹部は思い出そうとしている様子である。
使者が一拍おいて答えた。
「……それは、ヨリジェの北部の山深くに住む者たちのことでは?」


