少年の左胸に、微かだが澄んだ音が鳴った。
集中した熱から、何かが生み出される。
熱が引いていく代わりに、セドナの感情が流れ込んできた。
少年はそっと手を外す。
白い手袋の平を見つめる。
(ああ、これが……)
「『悔しい』、ですか」
「あ?」
セドナが振り向く。
涙がちぎれ、頬に転がり落ちた。
少年はセドナに歩み寄る。
「2週間」
「は?なんだよ、いきなり……」
「エレスさんがヒーラーに要求した期限です。
君の時と変わりませんね。
まあ、他の依頼も引き受けているので、お互いにその日数でちょうど良かったのでしょう。
ちなみに、首飾りの変更はありません。
ヒーラーのお任せ、とエレスさんは言っていました」
セドナの前に立ち、少年は彼が持つ紙袋を取った。
強く握りすぎて、汗で湿り、破けている。
「言ってることが、よく分かんねえんだけど」
困惑顔のセドナを見て、少年は言った。


