「その通りだ、セイクリッド殿は今日も街中を忙しなく駆け回ってくださった。
少々の遅れくらい目をつぶらないと、バチが当たるかもしれんぞ。
セイクリッド殿は今までクロアと一緒にいたんだ、恋人同士の時間を削れと言うのは少し無粋ではありませんかな?」
街長にさらに穏やかに言われ、狩人の頭は口をへの字に曲げて閉じた。
娘の名前を出されてしまっては、ロスティルにはどんな文句も通用しない。
むしろ、自分に雷が降りかかることになりそうだった。
まとめ役が小さく笑い、睨まれたのですぐに引っ込め、慌ててセイクリッドへ向いた。
「しかし、王子には本当に助けてもらいました。
我々の畑の土を、あのようにごっそり替えていただけるとは……これで来年からも作物を育てられます」
「街の外からやって来る商人たちと掛け合って、代金を安くしてもらえたのもだ。
おかげで私たちだけでなお客も救われたよ。
高くせざるを得ない状況とはいえ、お客の負担になってしまったのは非常に辛かった」
「それは何よりも、森に棲みついた獣をどんどん捕獲してくれたおかげだぜ。
俺たちだけでは仕留めるのに一苦労な獣でも、あんたの手にかかればあっという間だった。
罠の性能も上げてくれた、本当に助かった」


