極彩色のクオーレ






困った表情になるアウィンに、セイクリッドは諭すように言葉をかけた。



「だが、ここからが正念場なんだ。


焦るわけにはいかない、慎重に動かないと、積み上げてきたものがパアになる。


なあに、今まで上手くいった、計画は必ず成功するさ。


アウィンが心配する必要はこれっぽっちもないよ」


「……本当ですか?」


「この街はすっかり僕のことを信頼している。


敵対するものなどいないよ、仮にいたとしても、存在しないに等しい。


僕の思い通りにいくさ、何もかもね」



(あと少しだ……あと少しで、僕は祖国に大きな利益をもたらすことができる)



セイクリッドはアウィンに、強気な笑みを見せた。


心の奥に潜めた願望がついに叶う、胸が高揚して、いい心地になる。


軽く頬に触れて、セイクリッドは談話室へと歩き始めた。



「計画はもう最終段階に入っている。


この街の災厄の元凶を暴き出し、排除することだ」


「え?王子、まだ元凶が誰なのか分からないのでは……?」



アウィンは首をかしげた。


先日セイクリッドと計画についてひっそり話していたときは、一切掴めていないと言っていたはずなのに。


王子の言う元凶の情報を求め、アウィンは今日も一日中街を走り回っていた。


するとセイクリッドが足を止めないでアウィンを振り返り、片頬だけで笑ってみせた。


彼のこんな意地悪な顔を見るのは何年ぶりだろうか。