「お父様には逐一伝令を遣わせているじゃないか。
必ず僕が書いた手紙を持たせているし、お父様の命を受けてここに来た伝令係にも、ありのままのことを見せている。
心配しすぎだよ、アウィン。
城の僕の部屋には誰も入れないうようにしているし、万が一忍び込まれても構わない状態にしてある。
疑わしいことなんて何一つしていないんだ、安心しなよ」
「しかし、あんまり長引くと我々の計画が」
「アウィン」
突然、セイクリッドの声色が低くなった。
常温から氷点下まで一気に下がったセイクリッドの口調で、アウィンは自分の失言に気づいた。
両手で口を隠すけれど、出してしまった言葉はもう戻せない。
セイクリッドは鋭い目付きでさっと辺りを見回し、もう一度アウィンを睨んだ。
真っ青になったアウィンは、慌てて最敬礼で謝罪する。
「もっ、申し訳ありません、王子!」
「全くだ、誰かに聞かれていたらどうする」
壁に寄りかかり、セイクリッドは腕組みして足も組んだ。
天井に光の飾りを施すシャンデリアを見上げる。
「計画は順調に進んでいる。
元々、長い時間がかかることを予想して立てたものだ。
これくらいの期間、どうってことはない」
「し、しかし……」
「お前の気持ちは分からなくもないよ、アウィン」


