「でも、変わりやすいって例えでよく言うんじゃなかったか?女心と秋のそ」
「ラリマー、4体に同時に攻撃させていいかしら?」
「すんませんっした」
ちゃかしてきたラリマーを見向きもせず、リビアは笑顔で言い放つ。
言葉に含まれた殺気を感じ取ったラリマーは即座に謝った。
この二人の掛け合いも、昨日までと全然変わっていない。
わざとやったのか、それともさほど考えていないのかは分からないけど、ラリマーの容喙はリビアの言葉を後押ししていた。
「……ありがとう」
ティファニーの表情が和らぐ。
つられてセドナたちの顔にも笑みが広がり、緊迫していた室内がぱっと明るくなった。
仲間に囲まれる主人を見つめながら、ニコはリビアの言葉を小さく繰り返した。
「そう簡単には変わらない……」
人は成長し、それにつれてどんどん変化していく存在だ。
ほんのわずかな時間で別人のようになることもある。
ルースに来てから、ニコは主人や仲間たちのさまざまな成長や変化を見てきた。
けれども、それですべてが変わってしまったわけではない。
変わっていきながら、新しくなりながら、変わらないものもあるのだ。
例えば彼女たちの絆のように。
例えば――彼女と自分の絆のように。
(人間は変わりやすい。
でも、どれほどの変化が起きようとも、ティファニーの傍に居よう。
ぼくだけはティファニーの味方で居続けよう……)
そう決意したニコの眼裏に、シャロアの姿がよぎることはなかった。


