ひとしきり笑ってから、ティファニーは肩で大きく息を吸い込んだ。
笑いすぎでおなかは痛いし、呼吸は運動した後のように乱れているし、唇は笑顔のまま引きつってしまったようだ。
けれども、泣き止んだ時よりもさらに心は晴れやかになっていた。
「大丈夫ですか、ティファニー」
「うん、もう平気……あー、おかしかった」
ニコがハンカチを差し出すと、片手で口元を押さえながらティファニーは受け取った。
目隠しの下にまで伝った涙を拭く。
腰に手を当ててギベオンが怪訝な表情をして尋ねた。
「何がそんなにおかしかったの?ラリマーが始末されるってこと?」
「ギベオン、お前な……」
「違うよ。最初はセドナの言った『烏合の衆』っていうたとえがおかしくて笑ってたんだけど。
それで、私の瞳のことを知っても、みんなはやっぱりいつも通りのみんなだなってほっとしたの。
そしたら、自分でもよく分からないけど、すごくおかしくなってきちゃって……」
「なに言ってんのよ、ティファニー」
リビアは歩み寄り手を伸ばしてティファニーの前髪を撫でた。
「確かに最初はびっくりしたけど、『無色の瞳』を持っていてもティファニーはティファニーなんだから。
いきなり性格が極悪に変わるわけでもないでしょ。
あたしたちの関係だってそう簡単には変わらないわ、天気じゃあるまいし。
そういうもんじゃないの?」


