するとニコが唇をとがらせ、リビアの長い髪を飾っているリボンをつまんで軽く引っ張った。
髪を押さえむっとした表情で見上げてくる彼女に言う。
「リビア」
「なによ?」
「どうして素直に言わないんですか?
ラリマーのことを心配に思って」
ガキンッ!
リビアが瞬きするだけのわずかな時間で手板を握った。
どこからともなく現れた兎のぬいぐるみが、鎌をぎらつかせながらニコに襲いかかる。
そんな至近距離からの攻撃に驚かず、ニコは工具で刃を防いだ。
リビアが耳まで赤く染めながら早口に言う。
「ニコそれ以上しゃべったら首と胴体が分かれるわよ」
「分かりました、困るので言いません」
ニコは頷いてしっかりと唇を閉じた。
手板を緩めたものの、リビアは人形をしまわず腕に抱える。
今のスピードで襲われたらひとたまりもない。
リビアからにじみ出る殺気の混ざった羞恥の感情に、茶化そうかと思った者たちは慌てて考え直した。
ラリマーも軽く咳を鳴らすだけにしておく。
「すっげえ、今の早業!
リビア、もう1回やってよ。今度はニコじゃなくてラリマーに!」
「げっ!」
「いいわよ」


