「妙なことが起こっているうえに、そこにタイミングよく現れた不審な王子サマか。
これは調べる価値があるな」
「ラリマー、少しは言葉選べよ」
「タンザの言う通りだぜ。
不審な王子様じゃなくて怪しい王子様って言うべきだ」
「そうそ……って、セドナ!?
直すところ合ってるけど、方向性は真逆だぞ!」
タンザとハックがそれぞれ相槌と突っ込みを入れるが、ラリマーは取り合わなかった。
楽しそうに笑って、まだ座りこんでいるティファニーの肩をぽんと叩く。
「セイクリッドのことは、オレが調べてきてやるよ。
ティファニーが心配していることも含めてな」
「ラリマー独りだけで?危なくない?」
「大丈夫だ。こういう調査も、旅の途中で小遣い稼ぎにけっこうやったことあるんだ。
たまに敵の陣地へ潜入することもあったけど、なかなかスリルあったぜ。
まあ、そのときはバレてうっかり殺されそうになった、あれはちょっとやばかったなー」
「いっそ殺されれば良かったのに」
「ねえ、がちのトーンでそんなこと言うのやめてくれない?」
危険な過去を懐かしむラリマーの横でリビアが悪態をついた。
もちろん冗談であるが、ブラックジョークすぎて笑えない。
顔色がやや青くなった。


