ケセラはおずおずとだが思いきって発言した。
しかしラリマーが振り向いただけで小さく悲鳴をあげる。
他の者から非難をこめた眼差しを向けられ、悪役にでもなった気分になる。
空咳をして、ラリマーはケセラに尋ねた。
「ケセラ」
「はっ、はいっ」
「なんで敬語になるんだよ。
似た状況があったってのは初耳なんだけど、そのときもやっぱりルースだけだったのか?」
「え?えーっと、どうだったかな……
でも確か、西のキューレット村も同じだったって聞いた気がする。
あれ?……リシャーナ国の東側全部だっけ」
「どっちにしろ、他の地域でも不作だったんだな」
「うん、それは多分間違いじゃないよ」
ケセラが言うと、ラリマーが満足そうに頷いた。
その脛を不満顔のリビアが叩き、彼を苦悶の表情にさせる。
「どういう意味よ。
あんた独りだけで納得してないで、あたしたちにも分かるように説明して」
「せ、説明させていただきますよ……。
あのな、土壌汚染ってのは、人体に悪影響を与える物質が蓄積して起こるんだよ。
原因として考えられているのは、その物質を含んだ雨が降ること。
けどそれなら他の村や町でも同じ被害が起きてるはずだろ、でもそんな話は聞いたことねえ。
ルースにだけピンポイントに有害な雨が降るなんてあり得るか?」
「た、多分あり得ないかな」


