セドナたちは店でのことに記憶をめぐらす。
馬は店の直前で走るのを止めた。
そのすぐ傍には逃げ遅れたティファニーを庇うセイクリッドがいた。
しかも様子を確認しようと見上げていたのに、馬は警戒すらしなかったのだ。
ラリマーは背もたれに肘をかけた。
「それにあいつ、いつも余裕綽々で馬に乗ってるだろ。
臆病の代表みたいな馬が、大型獣が見るだけでビビる人間をおとなしく乗せるか?」
「大型獣にだケ怯えらレルといウ質なノデは」
レムリアンの意見に、ラリマーは首を振った。
「人間にとって危険な獣は怖がって、無害な獣はあいつを見ても何とも思わないってか。
そんな都合のいい話があるかよ」
「確かに、よく考えてみりゃ妙だな」
ようやく表情が和らいだセドナが同意した。
ここで蒸し返すほど愚かな者はこの場にはいない。
それは未だ拘束されているギベオンもそうであったが、前科があるため信頼されていなかった。
「それに、急に土壌がおかしくなったっていうのも妙だ。
農家のおっさんたちの話だと、去年までは街の外にまで売りに行けるくらい豊作だったらしい。
なのに突然悪くなることってあるかなあ?」
「ぜ、全然ないってこともないんじゃないのかな。
僕も農業家の知り合いがいるけど、急に作物が採れなくなった年、過去にあったみたいだよ」


