はっきりと言われてしまい、リビアに椅子を強制的に譲らされたラリマーは苦い顔つきになった。
色々と言いたくなったが押さえることにしておく。
「セイクリッドのことだよ、あれから考えていたんだ」
「あの王子様についてか?
確かに、ティファニーの『無色の瞳』を見られたのかどうかは気になるな……」
タンザも腕組みして真面目な声になる。
不安になりかけたティファニーの膝にのった握り拳にセドナが手を重ねた。
顔はまだ仏頂面のまま横を見ている。
ラリマーはそんな様子の二人を見てひらりと手を動かし、さりげなくその話を遠ざけた。
「それも確かめねえとだけど、オレが気にしてるのはそれじゃねえ。
お前ら、馬車が突っ込みかけたときのこと覚えているよな?」
「ま、またその話なの?」
ケセラは罪悪感でさらに両目を潤ませ、その肩をタンザが励ますように叩いた。
「いや、失敗についてどうのって話じゃねえよ。
むしろケセラ、お前はよくやった」
「は?」
リビアとギベオン、ハックとセドナの声がきれいに重なる。
ケセラもきょとんとした顔でラリマーを見上げた。
驚いたあまり涙も止まった様子である。


