しかし、小柄な方の青年が申し訳なさそうに口を開いた。
「あの、お頭」
「あん?なんだ、はやく縛っちまえ、ブルムもだぞ」
「それは分かっていますが……荷車は今、大破してますよ」
おずおずと告げた青年をしばらく見て、狩猟頭はしまったという表情になった。
「そうだ、忘れてた……。
すまねえ、あと2日は動けないんだった。
期待させちまって悪かったな」
「大破……」
ポツリと呟いた少年は少し考えこみ、つ、と狩猟頭を見上げた。
「あの、お頭さん?」
「カーボでいい。なんだ?」
「じゃあ、カーボさん。
その大破した荷車、見せてくれませんか?」
「お、おう、別にいいが……なんでだ?」
「直せるかもしれません」
「あ?」
狩猟頭・カーボだけでなく、青年たちもぽかんとして少年を見た。


