胸の奥がつまり、その細波が目に押し寄せてくるのを感じた。
けれども、それに任せてしまえば今の感情を伝えられるとは到底思えず、こらえようと唇をかむ。
セドナは大股で歩み寄ると、ティファニーの肩に触れた。
触れたというより、掴んだといった方が適切なくらい強い力だった。
そして、意を決して顔を上げた。
『無色の瞳』に真っ向する。
ティファニーは掴まれた肩を介して恐怖が彼に襲いかかったのを理解したが、群青色の瞳はそらされなかった。
鋭い視線に射抜かれ、ティファニーは動けなくなる。
「お前の目だって、いつか怖がらないで見れるようになる。
俺たちと同じ普通の人間だった親父さんは、お袋さんの目を見ても平気で、きれいだとまで言ったんだろ。
なら俺だってそうなれるはずだ……すぐにはいかねえけど。
でも、不可能ってことは絶対にない。
お前のその『無色の瞳』と俺たち凡人が共存できる方法はきっとあるから。
……だから簡単に諦めるなよ。
離れた方がいいなんて、そんなこと考えるなよ」
最後のところで声が揺れたので、セドナはそこで言葉を切った。
それほど切に望んでいるという証であった。
下を向いて荒くなった呼吸を整えてから、もう一度セドナはティファニーを見る。
いくらか眼差しは柔らかくなり、不器用な優しさがこめられていた。


