ティファニーはそこで言葉をとぎらせると身体の向きを変えた。
遅れてついてきた髪が元の位置に戻ってから、目隠しの両端を持つ。
全員に驚く間を与えず、引っ張って目隠しをほどいた。
再び、幻想的なきれいな色の瞳が露見する。
「ひいぃっ!」
真っ先にケセラが泣きの入った悲鳴をあげ、頭を抱えてしゃがみこむ。
ギベオンたちも息を呑む音をそれぞれの口から立て、顔を手で覆う。
辛うじてセドナは悲鳴も息の音も我慢できたが、襲ってくる恐怖には勝てず、視線を床に落とした。
怯える彼らの姿を目にして、ティファニーは長いまつげを伏せた。
「ほらね、私がみんなに顔を向けるだけで、こうなっちゃうでしょ。
私が傍に居ても、みんなの迷惑にしかならない。
できるのはこんなふうにみんなを怖がらせることだけ、おとぎ話に出てくるメデューサね」
「ティファニー……」
ニコが名前を呼ぶと、ティファニーが彼に顔を向けた。
『無色の瞳』が潤んでいる。
口元には悲しみを帯びた笑みを浮かべていた。
主人の痛々しい表情に、ニコは言葉を続けるのをやめる。
ティファニーは同じように自分を見ているレムリアンへちらと目を向け、またニコに戻した。


