その妙な圧迫感に、ケセラは腕を降ろし、首をすくめて瞬きする。
ギベオンはため息をついて彼の耳を容赦なく引っ張った。
「あいたたたたたた、い、痛いよ、ギベオン」
「お前は少し黙ってろ」
「だ、黙るから離して、いたたたた」
「だ・ま・れ」
返事をしかけて、ケセラは慌てて両手で口をふさぐ。
それでもギベオンに手を離してもらえず、涙を目尻ににじませた。
見かねたタンザたちが助けに入る。
セドナの耳には彼らのやりとりが入っていないようだった。
振り返ることなく真剣な目つきでティファニーを見つめている。
「『無色の瞳』を見てごちゃごちゃ言ってくる奴なんか気にしなくていい。
それでもし酷い目に遭わされたら、俺たちが仕返ししてやる。
だから、独りになろうなんて余計なこと考えんなよ、もっと俺たちを信じろよ」
ティファニーがそっと下を向いた。
吐息が窓にかかり、そこを白く曇らせる。
「……セドナならそう言うだろうと思ってた。
でもね、私は自分の問題で人を巻き込みたくないの、大事な人ならもっとよ。
自分のせいで誰かを傷つけてしまうなんて絶対に嫌。
他のどんなことよりもすごく傷つくし、心が痛くなる。それに――」


