肩を落として作業場に向かうセドナに、ヒーラーはくすりと笑う。
そして、その背中に言葉をかけた。
「しばらくかかるかもしれないけど、また次の依頼が来るわよ~。
元気出して。
別に起こってもおかしくないんだからね、こういうコ・ト・は」
どこかひっかかるヒーラーの言い回しに、セドナは暖簾の前で足を止める。
声に出さず、かけられた言葉を反復する。
そして――そこに含まれた意味を悟った。
「あんたっ……!」
「失礼するよ」
タイミングが悪いことに、客がやってきた。
叫びそうになったセドナはたたらを踏む。
ヒーラーは口の端でにやりと笑い、すぐに接客に向かう。
「いらっしゃいませ~。あらっ、これはこれは旦那サマ。
いつも御贔屓に」
「期日までまだ日があるが、近くまで来たものだからね。
製作の方は順調かい?」
「ええ、それはもちろんです」
談笑が始まる。
こうなってしまっては、ヒーラーに何も言えない。
ギリ、と歯ぎしりをして、セドナは奥へ進んだ。


