極彩色のクオーレ






人間は損得勘定をし、それで敵か味方かを決める。


大体の人間が、意識のうちにも無意識のうちにもそうして動いている。


けれどもそれ以前に生き物だ。


自分の生命を脅かすもの、本能で畏怖を覚えるものは即座に敵と判断する。


そして、どこまでも暴力的に冷酷になり、それを徹底的に排除しようと動く。


例えその対象が自分たちと同じ姿をしているものであっても、その周囲にいる無関係の人を巻き込んでも、勘違いであったとしても。


守るためならば、殺すことだって厭わないのだ。


畏怖されるものが少数でそれを敵視するものが大衆ならば、尚更その側面は強くなる。



ティファニーが自身の秘密について教えなかった最たる理由はそれのはずだ。


自分の身よりも、仲間の安全を守る方を選択する女の子だからだ。



「……ティファニー。


もしかしてセイクリッドに『無色の瞳』を見られたのか?


あいつ、目隠しがほどけたときすぐ前にいたよね」



ギベオンが眉間にしわを寄せた。


彼女の質問にセドナたちは暴れ馬の騒動を思い出す。


ケセラがこそこそと逃げようとし、その首根っこをタンザが捕まえた。


元の場所に笑顔で引き戻す。



「逃げるな弱男」


「はい」



見向きもされず悪友に短く命じられ、ケセラは完全に退路を失った。