極彩色のクオーレ






5歳のティファニーは、大空を翔ける鳥のような自由を求めていたのだろう。


何にも縛られず、自分の好きなところへ冒険できる自由を。



「本や図鑑のなかでしか知らなかった世界を体感できて、すごく楽しかった。


父さんたちに連れ戻されたくなかったのと夢中になってたのとで、私は少しでも遠くへ行こうと走ったわ。


そうして、ガイヤの森と外側の森との境目にある大岩、あそこにたどり着いたの。


木も草も風も木漏れ日も、何もかもが素敵に思えた。


どうして父さんたちはこんなに素敵なものを隠していたのかって考えたわ。


……だけど、それを考えているときに、私の前に人が現れた」



す、とティファニーの声がにわかに低くなる。


リビアが息をのみ、喉がこくりと鳴った。


すぐにレムリアンが傍により、あちらのゴーレムを見習って主人の背中に手を添えた。



「どうしてそこに居たのかは分からないけど、その人は私を見て悲鳴をあげたわ。


なんの前触れもなく『無色の瞳』を見たから無理ないけど、私はそれに驚いた。


そしてその人は、持っていた棍棒で私を殴ろうとした」



そこで唇を軽く噛み、ティファニーはニコの手を強く握った。


ニコも握り返し、主人を静かに見つめた。