極彩色のクオーレ






「ずっと、外の世界に憧れていたの。


玄関に近づくことも窓を開けることも許してもらえない。


お客が来たら母さんと一緒に2階でいないふりをする、それが不満だったし窮屈で仕方なかった」


「もしかして、親父さんは街の連中にお袋さんのことも隠していたのか?」



ギベオンの問いかけにティファニーは否を示した。



「ううん、母さんのことは街の人たちも知っていたみたい。


ただ、目が不自由ということにしていたわ。


『無色の瞳』を隠すために目隠しを巻くにはそうするしかなかったの」



ティファニーは空いている手で目隠しの端をいじった。



「……外へ行ったらダメな理由は私が大きくなったら話してくれると何度も言われたけど、あのときの私はそんなの待てなかったわ。


さっきも言ったけど、抜け出そうとあれこれ考えては失敗して、その度に怒られた。


でも5歳の誕生日を迎えてすぐにチャンスが来てね。


父さんたちの目を盗んで、私は生まれてはじめて外の世界に行ったわ」



羽ばたきが聞こえる。


窓の外縁に碧色の小鳥が羽を休めに来た。


嘴で羽の内側の手入れをし、細かく首を振り、ぴょんぴょん横に飛ぶ。


それからまた空へ飛びたった。


セドナの脳裏に幼いティファニーの姿が浮かぶ。


ずいぶん前に一度だけ見せてもらった写真の姿だ、それが小鳥と重なる。