極彩色のクオーレ






ティファニーはニコを遮って早口に言う。


彼女にとって、両親の死についてみんなに話さないことは逃げることを意味するのだ。


辛いという情緒に負け、口を閉ざすわけにはいかない。


教えてもらった心の針からティファニーの心情が伝わってきたが、ニコは彼女の意思を尊重することにした。


その代わり、隣に座って手をつなぐ。


主人の勇気がぺしゃんこになってしまわないように。



「……ありがと、ニコ」



ティファニーは彼の肩に寄りかかり囁く。


それから天井を仰いで鼻をすすり、震える息を吐いて前を向いた。


ふっと口許の力を緩める。



「父さんは事故で、母さんは病気で死んじゃったわ。


……誰かに聞かれたら、そう答えるようにしていた。


嘘ではないけど、でも本当はちょっと違うの。


ニコには少しだけ話したよね?」


「はい」


「父さんの事故は私のせい。


私が言いつけを破ったせいで……父さんは命を落とした」



それは余りにも想定外の告白であった。


衝撃に誰もが息をつめる。


タンザが顔を思いきり歪めて床の木目に視線を落とし、聞くよう促したハックが彼に頭を下げた。


沈黙が苦しかったのか、ティファニーの声の調子が取りなすものになった。