ギベオンがしみじみと頷く。
同じく首を縦に動かしていたラリマーだが、途中で怪訝そうに首をひねった。
「……あれ?
でも、なんで親父さんは家に置いてやろうって気になったんだ?
『無色の瞳』がすぐ近くにあったら恐怖で耐えられねえだろ」
「言われてみれば、確かに変ね」
リビアも顎に指をあてて不思議そうな表情になる。
何人かの視線を向けられたところでティファニーは話した。
「それがね、父さんは母さんの『無色の瞳』を見ても怖く思わなかったんだって。
瞳についてある程度知ってたというのもあるかもしれないけど、でも恐怖でパニックになることはなかったみたい。
しかも母さんの瞳を覗きこんで「きれいだ」とまで言ったそうよ。
母さんは同じ『彩霞ノ民』以外の人には怖がられてばかりいたから、すごく嬉しかったって」
思わずセドナたちは顔を見合わせた。
「……人嫌いに変わり者が多いってよく聞くけど、本当なんだ」
「ハック」
タンザにドスの効いた声で名前を呼ばれ、ハックは大げさに肩をすくめて舌を出す。
すまないと頭を下げると、ティファニーは微笑んで首を振った。


