極彩色のクオーレ






「逃げるのに必死だったから、誰が死んでしまって誰が助かったのかも分からないみたい。


でも生き残りが存在するのは絶望的だって教えてくれたわ。


どうにか集落のある山から離れた母さんは、森の中をひたすら歩いた。


追っ手に捕まらないように何日も寝ないで歩き続けて、この家を見つけたの。


ここは、人嫌いの父さんが独りで建てた家なんだって」


「えっ!?」



タンザとハックが、揃って素っ頓狂な声をあげる。


他のみんなもびっくりした表情でティファニーの部屋を見回した。



「もちろん、今の家よりもずっと小さかったのよ。


何度も工事して、この大きさにしたんだから。


最初は木こりや狩人が使うものより一回り大きいくらいの小屋だったみたい」


「それでも独りで小屋建てられるってすげえな……」



タンザがげんなりとした態度で褒めた。


レベルが凄すぎて、かえって引いてしまうのだ。



「父さんは木工職人の腕はすごく評判だったんだけど、無口なうえにいつも仏頂面で人付き合いも悪くてね。


工事の最中に顔に傷痕が残るくらいの大怪我をしちゃって、それがきっかけになってクラウンに家を建てようと決めたみたいなの。


とにかく、家を見つけた母さんはここに駆けこんだ」


「駆けこんだって、瞳のせいで襲われるとか心配しなかったの?」