しばらくそうしていたティファニーがゆっくりニコの胸から離れた。
泣き顔を見られたくないのだろう、壁の方を向いて涙を拭う。
「ティファニー、これを」
言いながらニコが差し出した左手には、薄桃色の目隠しがあった。
「預かっていましたよ」
「ありがとう」
受け取った目隠しを、ティファニーは愛おしそうに胸に当てた。
顔に巻こうとしかけて、その手を止める。
目隠しを持ったまま両手を腿に置き、振り向かないままセドナたちに言った。
「……みんな、ごめんね。
いっぱい心配かけちゃって」
「あ、謝るようなことじゃねえだろ、そんなの。
大事な仲間を心配するのは当たり前のことだ」
セドナが胸を張って言う。
心の準備が不十分だったのだろう、語頭が裏返っていた。
ラリマーが意地悪く吹き出し、怒ったセドナがその足を踏みつけ、それを見たリビアたちが苦笑する。
小さく笑ってからティファニーが立ち上がり、ニコはその傍らについた。
もう一度手の甲で涙を拭き、深呼吸する。
「……みんなの言うとおりだわ。
私、自分がこうなってしまって、全部自分で解決しなくちゃって咄嗟に考えたの。
みんなを巻き込みたくなくて……だから、来ないでとか寄らないでとか、酷いことを言ってしまった」
(巻き込みたくない?)


