布団の山は黙したままでいる。
それにめげることなくニコは続けた。
「何があったんですか、ティファニー。
ぼくたちに話してください。
話してくれないと、ぼくたちもどうしたらいいのか分かりません。
君の力になりたいんです」
「そうだぜ、ティファニー」
ラリマーが部屋に入り、立ち尽くしているセドナの背中を叩いた。
そのまま彼の肩口に腕を置き、明るい調子で言う。
「お前がなんでそんなに恐がってるのか、オレたちを拒否するのか分からねえ。
力になれるかどうかもさっぱりだ。
でも、話を聞くぐらいならオレたちにだってできる。
……お前は独りじゃねえ。
だから、独りで抱えこもうとするなよ」
「ラリマー……」
布団がもぞりと動く。
隙間から2本の腕が伸び、ニコの背中に回った。
ニコもティファニーを強く抱きしめる。
ティファニーのすすり泣く小さな声だけが部屋に響き、それが収まるまで誰も何も言わなかった。
身じろぎすらせずに、じっと二人を見つめていた。


