極彩色のクオーレ






ノックしてだの、女の子の寝室に来るなだのと文句をぶつけられるのを、入ってから気づいて覚悟する。


しかし、室内にいた二人にそんな余裕はとてもなさそうだった。


ギベオンは床に尻餅をついた状態で、リビアは両手で口を押さえ壁に背中をくっつけていた。


どちらも目を大きく見開いている。


男子陣が入室してきたことに気づいているのかさえ怪しく思える様子だ。


ギベオンの脇に倒れている椅子があり、先程の音の正体はこれだろう。



「……おい、リビア?一体何があったんだ」



セドナの後ろから部屋に入ったラリマーがそろそろ尋ねた。


呼ばれてリビアの瞳が彼らに向いたが、なにも答えずにもとに戻る。


彼女らの視線は一点に集中していた。


それに気づいたセドナたちも、視線を追いかけてそちらを確認する。


ドアの対角線上にある部屋の隅、つまり彼らから最も離れている場所。


そこには掛け布団の塊があった。


ベッドは空っぽで、恐らくあの中にティファニーが隠れているのだろう。


微かに震えているのが分かる。


またさっきと同じように何かに怯えているのだ。