極彩色のクオーレ


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太陽が西に大きく傾いている。


つい夢中になって、思った以上に時間を費やしていた。



「やっべ、急いで戻らねえと……」



一通り店を回ったセドナは、はやる気持ちを押さえて工房に向かっていた。


いつも抱えている紙袋より重いが、苦痛には感じない。


足がとても軽くて、気を抜いたら走り出しそうだ。


頭の中には、首飾りのイメージがいくつも出来上がっている。


こうしている間も、デザインの候補は増えていく。


こんなに頭が回るのはいつぶりだろう。


考えるのが、楽しくて楽しくて仕方がない。



生まれて初めての依頼だ。


これからの2週間は、自分の作業に没頭できる。


ヒーラーの手伝いではない。


自分のお客のために、工具を握られる。


それが嬉しくてたまらなかった。



(どうせだから、うんと凝った物を作ってあげよう。


喜んでもらえるために。


プロじゃなくて、俺に頼んでくれた人だから……)



お客の、エレスの姿が浮かぶ。


新たな楽しみに、身体がぶるぶる震える。


セドナは深く息を吸い、高揚する心をどうにか鎮めた。