転倒したティファニーが馬に蹴られないよう庇っていたセイクリッドが、彼女に手を差し出していた。
まるで傷ついた姫を救う王子のようだ。
胸が痛む。
「なーに棒っきれみたくつっ立ってんのよ」
「あだっ」
店から出てきたリビアの肘鉄を食らい、セドナは素っ頓狂な声をあげた。
すぐさまレムリアンが駆けつけ、リビアの無異を確かめようとする。
リビアはそれをあしらってセドナに耳打ちした。
「そんなんじゃ、本当にティファニーをあの王子様に取られちゃうわよ」
「とっ、とらっ、てっ」
「ちょっと、ちゃんと喋りなさいよ」
気が動転するセドナの頭をリビアは叩く。
しかしセドナはそれに怒ることもなくティファニーの方を向いていた。
(あらら、これは重症ね……)
あきれてセドナの背中をもう一度叩いて、リビアはラリマーたちに加わった。
今度はニコがセドナに近づく。
「セドナ……」
話しかけながら何気なくティファニーを見遣る。
ティファニーがセイクリッドの手を握って起き上がったとき、彼女の目隠しの片端が不自然にピン、と伸びた。
転んだ際に落ちた荷物か何かの下敷きになっているのだろう。


