「本当?そう言ってもらえると嬉しいな」
ティファニーがはにかむ。
いつの間にか、セイクリッドに対する見えない壁のような警戒がなくなっていた。
どこも身構えていない。
駆けつける必要がなくなったと判断し、ニコは椅子に座り直した。
セイクリッドもつられて笑っている。
それを微笑ましく見ていた衛兵が、おずおずと王子に声をかけた。
「王子、そろそろ森へ行くお時間になります」
「もうそんな時間か。お邪魔したね」
「ううん、大丈夫よ」
通りに馬がつながれていたので、ティファニーはそこまで見送りに出る。
一言も話してはいないけれど、何かあっては困るのでニコもついて行った。
「ティファニー」
愛馬の鞍に掴まろうとして、セイクリッドがティファニーを振り返った。
杖を持っていない方の手をとる。
「なに?」
「……また、遊びに来ても構わないかな?
もちろん、友達としてだよ。
ニコも、ルースの大切な友人として、君たちと仲良しになりたいんだ」
「あら、そんなの当然よ。
新しい友達ができるなんて、こんなに嬉しいことはないわ。
ねえ、ニコもそう思うでしょ?」
「はい」
首肯するや否や、セイクリッドがニコの手を両手でしっかり握った。
頬をわずかに紅潮させ、双眸に輝きを宿した。
「どうもありがとう!
それじゃあまた、時間をつくって会いに来るよ」


