「リビアはいいんだよ。
よく知ってるやつだし、女の子だし。
文脈から判断しろ」
「あいにく、想像力が乏しいものでして」
「またそれかよ!
それ言えば全部許されると思ったら大間違いだからな、ニコ!」
セドナが真顔で返すニコの胸ぐらをつかんでがたがた揺らす。
それを止めつつレムリアンが問うた。
「デも、なぜリビアはよクテ、セイクリッドは一緒ニイてはダメなんダ?」
「当たり前だろ!
あの下心見え見えの優男、絶対にティファニー狙ってる」
ベンチの方には気づくこともなく、セイクリッドが今度はポーチをティファニーに渡した。
彼女の服の雰囲気にあう、アンティークで可愛らしいデザインである。
王子をぎ、と睨み付け、セドナはニコの両頬を引っ張った。
今まで引っ張りすぎたせいだろうか、合成樹脂膜の皮膚が面白いくらい伸びる。
「で、何がどう転んだら、あのいけ好かねえ野郎がティファニーに近づくんだよ」
セドナの機嫌はすこぶる悪かった。
彼の両手を頬から引きはがし、ニコはこれまでの経緯を振り返る。


