そんなラリマーに気づくことなくニコはまた首をかたむけた。
「いきなりどうしましたか?」
「別にどうっていうわけじゃないけど。
1年経つのに、そういうお祝いとかしてなかったなあって思って。
セドナやラリマーの誕生日のときに聞けば良かったね」
どうやら、自分の誕生日が近いから聞いてみた、というわけではなさそうだ。
計画がバレたのかと焦ったラリマーはそっと息を吐き出す。
「それで、いつなの?
あ、ゴーレムは誕生日、あるのかな?」
「多分、製造日がそのまま誕生日になると思います。
目を覚ました日なのか、それとも完成した日なのかは微妙ですが」
「それじゃあ、ニコが目を覚ました日はいつ?」
「覚えていません。
というより、聞いたこともありませんでした。
自分が初めて世界を見た日も、マスターによって生まれ変わることができた日も、それがいつかはぼくにとっては重要ではありませんので」
「そうなんだ」
ティファニーの声のトーンが少しだけ下がる。
が、すぐに表情を明るくして手を叩いた。
フォローしようとしたラリマーは急いで口を閉じ、その弾みで舌の先でも噛んだのだろう、眉間に痛そうにシワを寄せる。


