工房に戻ると、接客スペースではヒーラーが苛立った様子でうろうろしていた。
少年を見つけた途端、口をへの字に曲げる。
「もうっ!遅いじゃない!
一体どこまで買い出しに行ってたのよ!」
「金属加工の区画までです」
「そういうことを言ってるんじゃないのよ!
ホラ、さっさとソレよこしなさい!」
「あ、はい」
少年は紙袋と財布を差し出す。
それをヒーラーは乱暴に受け取り、中身を確認した。
「まったくもう、今日の作業時間が減るじゃない……買い出しは、ちゃんとしてあるわね。
って、どうして帰ってきたのアンタだけなの?
セドナちゃんは?」
「金属加工の区画へ買い出しに行っています。
なので、先にぼくだけ戻りました」
「何か買い忘れでもあったの?」
「いえ、依頼の首飾りに必要な材料を」
「依頼!!?」
ヒーラーが目を見開いて叫んだ。
よほど驚いたのか、手から紙袋が滑り落ちる。
少年は反射的に、それを空中でキャッチした。
床にぶちまけてしまう惨事は避けられた。


