ラリマーが乱暴にニコに顎をしゃくる。
不安げにしているティファニーとバンダナを交互に見て、ニコはそれを頭に巻いた。
いい材質の布を使っているのだろう、前のものよりも身に着けやすい。
(そういえば、あのバンダナはマスターからもらったんでしたっけ。
『なんだかパッとしない外見だから』と言いながら)
そんなことがチラリと脳裏をよぎった。
でも、いつかのようにその思い出にひたることはない。
シャロアと過ごしてきた日々を思い出す回数自体が、すっかり減っていた。
(ゴーレムのぼくでも、人間のように変わるんですね……)
自分の変化に、なんとも言えない気持ちになる。
「おお、似合うじゃねえか」
ラリマーが大げさなくらいにこやかに褒める。
嘘ではないらしい。
ニコの服装は地味な色が基調となっているので、黄金の枝はなかなかのアクセントになっていた。
目立ちすぎてもおらず、いい塩梅である。


