「どうしましたか?」
「巻いてみてほしいなって思って」
そう言ってティファニーが差し出したのは、今まで刺繍をほどこしていた長細い木賊(とくさ)色の布だった。
黄金色の枝が伸び、鴇色と象牙色の花が複数咲いている。
渡されたニコよりも、野次馬根性で見に来たラリマーの方が反応が大きかった。
「おっ、もしかしてニコの新しいバンダナか?」
「通りでの騒動で破けちゃったでしょ。
最初は繕おうと思っていたんだけど、布の端がもう傷んじゃっていたから。
どうせ縫うなら、もう一から作ろうと思って」
「前のやつに比べたら、ちょっと派手めのデザインだな」
「え、そ、そうなの?」
ティファニーが小さく驚き、恥ずかしさで頬を赤らめる。
失言に気づいて、ラリマーが慌てて謝罪した。
「あっ、いや、そこまで派手すぎるわけじゃねえぞ!?
むしろ前のが地味すぎだったというか、シンプルだったというか、何というか……」
「……本当に?」
「ああ、付けてみたら意外とぴったり合うんじゃねえのか?
ニコ、早く巻いてみろよ」


