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いつものように食事を終えて、ニコは依頼されたものをゆっくり修理していた。
ティファニーはソファに沈んで縫いものをしている。
買い物をすっぽかしたセドナは、ティファニーを家まで届けてから工房へ戻ったきり来ない。
大方、ルーアンに叱られ、仕置きで仕事をさせられているのだろう。
自業自得とはいえ、なんだか可哀想に思えてしまう。
ラリマーは分厚い本を広げている。
書室で読んでいないのは、うっかりニコが口を滑らせないよう見張るためか。
普段は嵐のように喧しくトラブルを持ち込んでくるが、読書のときだけは別人のように静かで、真剣な目つきで文字を追っている。
室内に聞こえるのは、工具を動かす音とページをめくる音、外で鳴いている虫の声だけだった。
「よし、できた」
ティファニーが糸くずをはさみで切り、満足げにそう漏らす。
縫い終えたそれを膝の上に広げて指先で探り、縫い忘れがないのを確認してからニコに手招きする。
「ニコ、今ちょっとだけいいかな?」
「はい」
直した仕掛け箱の蓋を閉めて、ニコは椅子から離れた。
ラリマーは背もたれによりかかりながら彼らに目を向ける。


