極彩色のクオーレ






「目の前でか、それはキツいな。


それ、おばさんたち絶対にわざとやってたんだろ?」



ティファニーが困ったように唇を笑顔で歪める。


どうやら、その通りらしかった。



「セイクリッドの話をしてからしばらくは、旦那さんたちがしっかり働いてくれるから嬉しいんだって」


「だろうな」



妻に言われて、行動を少しも改善しない者はそういない。


彼女たちはそれを目的として、談笑にセイクリッドのことを織りまぜたのだろう。


夫婦仲を良くするため、本人の知らないところで一役買っているようだ。


また、セドナは若いカップルがいちゃつくネタのようにセイクリッドのことを話題にしているのを何度か見たことがあった。


大抵は女性の方から先に、



「セイクリッド王子、素敵。


あんな人とお付き合いしてみたい」



というようなことを言い、それを受けた男性が



「俺ではダメなのか?」



と尋ね、



「そんなことないわ、彼もいいけど、あなたの方がもっと素敵よ」


「そう言う君も、他の誰よりもずっと素敵な女性だ」



などと言い合って密着するのだ。


しかも公園や店の中、挙げ句の果てには道端でも。


ところ構わず振る舞う彼らは、思い出すだけで腹が立ってくる。