極彩色のクオーレ






「王子様とか、庶民とかっていう意味じゃないよ。


クロアと結婚するってことは、ルースの街長になるってことでしょ。


それなら、街の人達の前に立って引っ張ったり、リシャーナの国王としっかり話し合ったり、他国との外交ができたりしなくちゃいけなくなる。


きっと、これ以外にも大変な役目はたくさんあると思うけど、どれもそれなりにその素質を持った人じゃないと務まらない。


だからセイクリッドのような人が現れて嬉しかったのかもね」


「確かにな……外交とか、庶民から上がったやつには難しいだろ。


街を治めることすらできないかもしれないし。


異国でも王子様なら、そういった勉強はしこたまやっているんだろうな。


次期街長にはもってこいだ」



頭上に金属が打ち鳴らされる重厚な音が、街に木霊して溶けて行く。


中央塔の最上階にある鐘の音だ。



その余韻に重なってティファニーが口を動かす。



「あとね、お買い物に行ったお店にいた人たちが話していたわ。


『セイクリッド王子のような人が旦那だったらどんなにいいだろうね』って。


『浮気したいくらいだよ』とも喋っていたわ。


しかも、旦那さんの目の前で」