極彩色のクオーレ






「ふうん、そうだったんだ、あの王子様。


俺はそういうの噂でしか知らないから、あいつがどんな奴かは全然分かんねえや。


話してみたら噂と違った、なんてところあったか?」



セドナは対して気にしていないといった風に答え、話を広げる質問もした。


だが、その話題の人間がセイクリッドであることにはもちろん不満だと感じている。


けれどもティファニーが切り出してくれたおかげで、逃げ出したくなるような沈黙がなくなったのもまた事実だ。


それに、ティファニーが自分の失言に気づいているかもしれない。


彼女に気を遣わせるわけにはいかない。


そのため、セドナは平然を装って話に付き合うことを選択した。


その裏で一刻も早く別の話題にしようと、連想ゲームを始めたのは言うまでもない。



「うーん、私が彼の噂をあまり知らないからなんとも言えないけど……でも、ロスティルさんが認めた気持ちも分かる。


クロアには、ああいう人がぴったりなんじゃないかな」


「まあ、俺たちみたいな庶民の男向けの女じゃないもんな」



庶民という表現にティファニーがくすくす笑った。


それだけで、セイクリッドの話題を出したことも、誘いをはっきり断らなかったことも許してしまいたくなる。


まさしく、惚れた者の弱みだった。