街灯が点き始めた道を、セドナはずんずん進んでいく。
ティファニーは杖をつく余裕もなく、どうにか転ばないように足を動かした。
時々舗装されているレンガの凹凸につまづきかけてよろめく。
けれども、セドナは振り返ろうともしなかった。
力いっぱいティファニーの手を握っているから、そこから伝わっているはずなのに。
(セドナが、こんなに強引なの、初めて……)
「せ、セドナ……」
もう何度目になるか、ティファニーは彼を呼ぶ。
しかしセドナは黙ったまま、足を休めようとしなかった。
(もしかして、怒ってるのかな……?
でも、どうして?)
「い、痛いよセドナ」
「えっ?」
ティファニーの『痛い』という言葉に、ようやくセドナは立ち止まった。
坂を下りきったところである。
呼吸が荒くなっている彼女を見て、セドナは自分のしたことにようやく気づけた様子だった。
パッと手を放し、せわしなく両手を振る。
「わっ、悪い、ティファニー!
俺、なんかテンパっちまってて……その、大丈夫か?」


