「神様の物差しが人間に通用するわけねえだろが」
「でも、僕が彼女を誘ってはいけない、ということにはならないだろう?」
「クロア一人に集中して我慢しろ、少しは節操持て。
ったく、話になんねえな。
付き合うだけ時間のムダだ、帰るぞティファニー」
「う、うん……」
苛だたしげに頭をかいて、セドナはティファニーの手を取った。
強引に会話を終わらせる。
しかしセイクリッドは特に気にせず、肩を上げ下げした。
やれやれという表情である。
「ずいぶんと乱暴なんだね、君は。
もっと自分の気持ちに素直になればいいのに」
「うっせえ。
悪い虫がつかねえようにてっ、とっ、友達を守って何が悪い」
踏み出しかけた足を止め、セドナが振り向きながら怒鳴った。
思わずティファニーが小さく首をすくめる。
セドナが舌を噛みかけて『友達』と言い直したのは、きっとそういう意味だからなのだろう。
「ほら、ちっとも素直じゃない」
それを読み取った上で、セイクリッドは優しく微笑んだ。
幼馴染と王子に挟まれておろおろするティファニーに向かって片目を瞑る。
「また会おう、ティファニー。
次はニコと一緒ではなく、2人きりでゆっくりしよう。
もちろん、邪魔者が入らないようにね」


