極彩色のクオーレ






「やっべえ!」


「お前のせいだからな!」



先に走り出したラリマーの背中を蹴りとばし、セドナは通りに戻った。


もんどりうって倒れそうになったのを踏ん張り、舌打ちしてラリマーも走り出す。



「……ラリマーの奴、本当に止める気あんのか?」



絶対に面白がっていると思う。


いや、面白がっているのは俺も同じか。


考えるのをやめ、ひとまずタンザは走ることに集中した。


やはり、すでにセイクリッドとティファニーはもう通りにはいなかった。


真っ直ぐ進み、時々立ち止まっては道の具合を確かめ、見失った二人の姿を探す。


緩やかな坂を昇り、やがて街の南部を見渡せる高台に到着した。


空はすっかり黄丹色に染め上げられている。



「おい、いたぞ」



石垣に腕をかけて街を見下ろすセイクリッドとその傍らに立つティファニーを見つけ、三人は急いで近寄った。


ちょうど手ごろな場所に物陰があったので、そこに身を潜める。


辛うじてだが、彼らの会話がここまで届いてきた。



「……住人の生活に関わる大きな問題が多発していると聞いて、異国民の僕だけど力になりたいと思って来たんだ。


この1ヶ月間、様々な場所を見てきたけど、やっぱりこの高台から望める景色がいちばん好きだな。


夕日と同じ色に染まる街は美しい」


「そんなに、綺麗なんだ」


「あ……ごめん。


ティファニーには見えないんだよね?」