極彩色のクオーレ






再び一方の男が連れに話しかけようとして、刺すような視線を感じた。


その出所に目を向けてぎょっとする。


相方の様子に気づいた男もまた驚き、慌てて立ちあがった。


まだコーヒーが半分以上残っているのに、かなりの焦りようである。


他の客たちも、セドナの視線を受けて口をつぐんだり席を離れたりした。



(ティファニー専用の超強力な警備員だな、こりゃ)


(超同感だけど口に出すなよ、タンザ。


お前までこの視線に刺されることになんぞ)



2人はセドナに気づかれないようつつき合い、小さく笑った。


西空の端に夕暮れの気配がわずかに漂い出したとき、ティファニーたちは店を出た。


彼らがある程度歩いたところでセドナが素早く椅子から離れる。


一拍おいてタンザも立ち、遅れたラリマーはウェイター人形に行く手を阻まれた。


屈強な人間の姿を模したものだ。


突破するのは難しい。



「当店ノ代金ヲ、払ッテ下サイ」



突き出された請求書には、それなりの金額が書かれていた。



(あいつら……三倍にして請求してやる!)



小刻みに震える手で財布を取り出し、ラリマーは口元に怒りを込めた引きつり笑いを浮かべた。



ちなみにセドナは純粋にティファニーたちを追いかけただけで、支払いを押し付ける目的で先に店を出たのはタンザであった。