背もたれによりかかり、エレスが脱力てい息を吐く。
セドナも表情を緩め、不満げにむくれた。
「そう言うなよ。あんたはお客で俺は商売人。
しかも客の依頼あってこそ成り立つ仕事だ。
これは俺なりのけじめなんだよ、あんま文句言ってくれるなよ」
「その割には、ずいぶんお客に対して砕けた口調ね」
「う……そ、それは」
「冗談よ。ごめんなさいね」
エレスはぺろっと舌を出して立ち上がった。
つられてセドナも腰を上げる。
「とにかく、あなたに依頼できて良かった。
2週間後、完成を楽しみにしているわね」
「ああ、工房で待っているよ」
セドナは通りに出てエレスを見送る。
彼女の姿が路地に消えてから席に戻り、喜びを噛み締めた。
(やった!ようやく、ようやく依頼だ!
見習い卒業記念が欲しいって……何だか照れるなあ。
あんだけ言ってもらえたんだ、頑張らねえと!)


