極彩色のクオーレ






ほぼ二人きりの状態でティファニーと話すセイクリッドも気に入らないが、それとは別にセドナを苛立たせるものがあった。


通りにいる人々や、店内の客や店員の視線である。


まだセイクリッドだけに向けられているのならいい(それでも腹立つ)が、中には一緒にいるティファニーに向いているものもあった。


そして一緒に聞こえてくるのは、二人の仲を怪しむひそめた声。


クロアの名前もかすかにだが耳に届く。


言葉のすべてが聞こえなくても、話している彼らの表情や視線を見ればすぐに分かる。


すぐ後ろに腰掛けている二人組の中年の男たちも、目を引くセイクリッドとティファニーを見て何やら話し出す。



「あれは……」


「いや、それはまさか……」



途切れ途切れに聞こえてくる声に、タンザはため息をついた。


どうして皆、自分に関係のない人ほどあることないこと話したがるのだろうか。


それが、時としてナイフよりも鋭い刃と化すというのに。


タンザは今度はカプチーノを注文して、ちらとセドナを盗み見た。



「セドナ、あんま気にす……うっ!」



いつの間にか、セドナの視線がセイクリッドから後ろの男性たちに向けられていた。


眉間に深くしわを刻み込み、険しい目つきで睨んでいる。


あまりの表情にタンザだけでなく、後から気づいたラリマーも冷や汗をかく。