極彩色のクオーレ






店内はそこそこ人がおり、目立ってニコに気づかれる心配はなさそうだ。


セドナたちは少し離れた隅の席に座り、他の客の陰に隠れて様子をじっと伺う。


そばを通りかかった店員に大きく咳をされたので、それぞれ安めのメニューを頼んだ。


ティファニーたちのテーブルには、セイクリッドが注文したらしく、おしゃれなケーキが複数並んでいる。



「ちっ」



なんだか気に入らなくて、セドナとラリマーはそろって舌打ちした。


彼の財力と、それが似合う人柄のせいだろう。


あと何回こういった意味が込もった舌打ちを聞くことになるのか。


タンザはため息をついてコーヒーをすする。


会話はここまで聞こえないが、セイクリッドと話すティファニーは楽しげにしていた。


セイクリッドはこちらに背を向けて座っているので表情は分からないが、きっと同じように喜んでいるのだろう。


ニコは注文したケーキをもくもく食べている。



(ニコのやつ……!)



視線を険しくしてセドナは氷を噛み砕いた。


もう何を言ってもムダだと判断したタンザは無視して、ウェイター人形にカフェモカのおかわりをもらう。


ラリマーは観察していることに飽きたようで、軽食を選ぼうとメニューを開いた。