「セドナ、ティファニーのことが好きなんだろ?
それを告白する前にあんな奴に取られていいのかよ、ヨリジェに拐われてもいいのか?」
「……それは」
「嫌だよな?嫌だろ?
だったら、今すぐあいつらを追いかけるぞ。
で、セイクリッドが怪しい動きを見せたらすぐに阻止するんだ。
あのお姫様、お前が助けないでどうするよ」
セドナは想像してみた。
ティファニーが、セイクリッドと仲良く一緒にいるところを。
「……あ」
通りを見ていたタンザが、三人が曲がり角に消えたのに気付いて声を上げる。
伝えようと振り返ったとき、セドナが無言で立ち上がった。
さっきの沈んだ空気は一掃され、代わりに見えない闘志が静かに揺らめいている。
(ラリマー、またセドナを挑発したな……)
大体は悪く働くのだが、今回はうまい方向に転がせたようだ。
タンザも苦笑しながら立ち上がる。
「行きますかいな、本当の王子様」
「やめろよ王子様って……。
もちろん行くさ。
あんな愛想ばっか振りまく優男、なんか気に入らねえわ」
(ああ、それは恐らく……)
(やめろラリマー、それ言ったらまたセドナが落ち込むぜ)
無自覚なところを気づかせようとしたラリマーをつつき、タンザは黙らせる。
「よし、それでこそ男の子だ」
強気に笑んだセドナと同じように笑ってから、三人はティファニーたちを追った。


