タンザは通りの曲がり角の陰に隠れるようにしてしゃがみ、何かの様子を伺っていた。
陳列棚に張り付いていたセドナよりもかなり変質者である。
(俺も、傍からはあんな風に見えていたのか……)
少しだけ落ち込みながら、先に追いついたセドナはタンザに声をかけた。
「おい、タンザ、どうし」
「シーッ、静かに!」
タンザが自分の口許に人差し指を当て、二人を黙らせる。
それから、通りを見るよう指差した。
再度顔を見合せ、タンザの上にセドナが、さらにその上からラリマーが顔を出した。
近くを通りかかった子どもがそれを面白がろうとして、それに気づいた母親が抱き上げて慌てて離れる。
他の通行人たちも見えない振りをしていたが、当人たちの知るところではなかった。
「え、あれって……」
ラリマーが思わず声を漏らす。
通りの先に、目立つ白銀色の頭が見えたのだ。
あんな珍しい頭髪を持つ者は、このルースに一人しかいない。
それだけではない。
問題はその隣にある、2つの見慣れた後ろ姿。
1つはニコ、そしてもう1つはティファニーだった。


