極彩色のクオーレ






ラリマーは何ともないようにさらりと言ったが、かなりスケールの大きな話である。


民間人では到底できることではない。


王家の、しかも大陸の中でも強豪の一つと知られる国の者だからこそできるのだろうか。


セドナは土を運ぶのに必要な労力を想像し、タンザはそれにかかる莫大な費用を想像して、同時に重いため息を吐いた。


ラリマーがすっくと立ち上がり、土埃の付いた尻をぽんとはたいた。



「土壌改良なんて、かなり大胆な方法を思いついたよなー。


来週あたりにはヨリジェから土を運びこんで本格的に始めるらしいぜ。


獣狩りも同時進行だってよ、多忙な王子様だ」


「うへえー、すげえな、セイクリッドって。


自分の国でもないのにここまで力注げるなんて、なかなかできねえことだぞ。


ダメな統治者なら、自分の国のことだとしても嫌がりそうなのに」



セドナが胡坐をかいた脛を両手で掴み、しぶい表情になる。


なあ、と同意を求めてタンザを見遣ったが、当のタンザはセドナを見ていなかった。


ラリマーも見ておらず、通りの奥に視線を送っている。



「ん?どうした、タンザ」



気づいたラリマーの質問を無視して、タンザはベンチから離れてそちらへと駆け出した。


驚くほどの瞬発力である。


あっという間に離れていく背中をしばらく見つめてからセドナとラリマーは顔を見合わせ、それからすぐに後を追いかけた。