「仕留めたは仕留めたけど……あのとき、ハウンドはセイクリッドを見ただけで怯えてたんだ。
しかも、服従を示すポーズまでしててさ」
セドナは顎に指を当て、先日の様子を思い出した。
そのときに大破された店は、ニコがきちんと直したらしい。
「そういえば……見るだけで服従させられるって、あのハウンドどんだけ腰抜けなんだ?」
「いや、多分そうさせるセイクリッドが凄いんだろうな。
まさかとは思うけど、また睨むだけでヘルビオもエディーカもおとなしくさせたのか?」
タンザは冗談のつもりで聞いたが、ラリマーはまじめな表情で頷いた。
「そのまさかだった。
猟師たちには敵意剥き出しで襲いかかろうとしてたんだけど、あいつが近づいた途端、また服従の姿勢になってさ。
それからはもうあっという間だったな。
エディーカの方も、奴が毒液を出す前に仕留めちまったよ」
「へえ-、あの王子様、動物に嫌われる体質なのかな」
「あるかもしれないな、嫌われる通り越して怖がられるのかもよ」
適当に言ったタンザの言葉に、セドナがにやりと笑って同意した。
動物に怖がられる王位継承者。
セイクリッドの容姿にはそぐわない体質だ、想像するだけでおかしさがこみあげる。


