極彩色のクオーレ






「らっ、ラリマー!?大丈夫かおい!」


「い゛、てえじゃねえかよ……」



ラリマーが涙目でセドナをにらみつける。


彼にしては珍しいことだ、相当なダメージを受けたのだろう。


セドナはあたりを見回して氷菓子屋を見つけると、未使用の氷を袋に入れてもらって氷嚢をつくった。


それをタオルで包み、ベンチに座り込むラリマーに渡す。


氷嚢を顎に当ててしばらくしてから、脱力して背もたれによりかかった。


セドナは再度頭を下げる。



「ほんっとに悪かった、最近でいちばん悪いことしたって思ってる」


「なんだそれ……まあ、おれもいきなり話しかけて悪かったよ。


でもお前、女しか利用しないような店の前に立つなよな。


おまけに陳列窓の化粧品とかガン見して息荒げてブツブツ何か言って、傍から見りゃただの変質者だぞ。


誰にも通報されなくてよかったな」


「息荒げてなんかねえよ!」


「でも何か念仏のようにぼそぼそ言ってたじゃねえか。


ゴミ捨て場に向かって文句言ってたヒーラーそっくりだったぞ」



ヒーラーとそっくりだと言った瞬間、セドナが露骨に顔をゆがめた。


そんなに彼のことが嫌いなのか。


セドナの見習い卒業にまつわる一悶着を知らないラリマーは、それが面白いけれど不思議だった。


そこまで知りたいという気持ちにならなかったので、軽く流しておく。